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心の中でそう呟くと竜斗はニヤリと笑った。
小学5年生の竜斗はそこそこに頭が良かった。それは単に成績が良いということではなく、自分がどう言えば相手がどう反応するかある程度の予測の元に言葉を発することができた。
いつもいつもそうしているわけではないが、今日のように自分に面倒が起こりそうな時にはその才能を十分に活用した。
そんな竜斗は自ずとクラスでも中心になることが多く、本人があまり意識していない時でもその発言でクラスメイトが左右されることは多かった。
これで性格が悪かったら、担任教諭にとっては恐らく大変な脅威だが、幸い真っ直ぐに育っていたため先生にとっても助かる存在だった。
翔太は竜斗と比べてしまうとごくごく普通の小学生で、多少単純かつ正直過ぎる面を持ち合わせていた。ただ、それ故に竜斗は翔太が大好きだったし、感情が全て顔に出てしまう翔太を信用していた。
だから周りから見るとアンバランスな二人でも、竜斗にとって翔太が一番の友達だった。
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