竜の章 その2

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 ある日の帰り道、翔太が突然竜斗に提案した。 「なぁ、竜斗!今日は違う道から帰ろうぜ。」 「・・・いいけど、なんで?」 「あっちの道に大きな家が建て途中だったじゃん?あそこに最近人が引っ越してきてでっかい犬がいるんだよ!でっかくってモッフモフなやつ!」  嬉しそうに言う翔太を見て竜斗は納得した。 (あぁ・・・それでか。) 「いいよ、行こうぜ!」  翔太は無類の犬好きだった。しかし母親が犬アレルギーのため飼うことができなかった。そんな事情を知っていた竜斗は快く遠回りの誘いに応じた。
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