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噂の豪邸に到着すると、庭が道に面していたため低い柵越しに中がよく見えた。翔太が言っていた犬は広い庭を自由に駆け回っていた。
「うわ、でっか!」
二人は予想以上の犬の大きさに驚いた。
「それにモッフモフだな!」
翔太は嬉しそうに竜斗に同意を求めた。
「あぁ・・・っていうか、これ本当に犬??」
二人が犬について話していると突然、翔太が突き飛ばされて倒れた。
「いってぇ~」
翔太は地面に手と膝をついて呻いた。
「大丈夫か、翔太!」
竜斗は慌てて翔太に駆け寄った。何事が起ったのかと見上げてみると、近くの高校の制服を着た男子学生が数名こちらを見て嫌な感じでにやにやと笑っていた。
「おいおい、こんなとこで遊んでんじゃないよ。」
(こいつら・・・!)
竜斗はカッとなった。何が面白くなくてやっているのかは分からないが、竜斗達で憂さ晴らししようとしているのだと竜斗には分かった。
「ふざけんなっ!おまえらが勝手にぶつかってきたんだろ!?」
安い挑発だとは分かっていた。でも親友に怪我をさせられて黙っていられるほど竜斗は大人ではなかった。
「何言いがかり付けてんだよ、このガキ・・・」
にやりと笑い、男が竜斗の胸倉を掴んだ。
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