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「どした?」
突然の訪問ではあったものの、クラウはさして驚きもせずにエルフに尋ねた。
「朝食に魚でもどうかなって。釣りのお誘いだよ」
青年とは思えないほど澄んだ声色で、流暢に人語を話すウェルナクスは、クラウの幼馴染であった。
二人がどのように出会ったのか、クラウは覚えていない。
ただ気付いた時には傍にいて、気付いた時には親友と呼べる存在になっていた。
もう十何年かの付き合いになる筈だ。
ヒトとは違う世界観を持つエルフが、これ程長年の間中付き合いをもつのは珍しいのだが。
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