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「そういやウェルって何歳くらいなの?」
見た目ではクラウと同年代にしか見えないが、エルフは年をとらない。
いや、正確に言えば寿命のないエルフに老いはなく、肉体の最も活発な状態を永久に維持し続ける。
そんなウェルだが、クラウの問いに少し悩んでしまった。
元々時間の概念を持たないエルフに答えなど見つかる筈もなく。
「この世が一つだった頃は大変だったなぁ」
「は?」
そのままウェルは自分の世界に入っていってしまった。
こうなるとしばらくは戻ってこないと知っているクラウは、ウェルの隣を歩きながら、祭について考えていたのだが。
「じゃあ今日でクラウとはお別れかぁ」
何気ないウェルの呟きにより、クラウの考えは強制中断を余儀なくされる。
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