魔王様、異世界へ飛び立つ

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「…………」 フハハハハ!まるでゴミのようだ……と言うかまんまゴミと化したパソコン。 電撃が迸る音は聞こえなくなり、五月蝿い音で鳴くパソコンはその存在事消え失せて……え? ゴミ?……え……ちょ……いぃぃやぁぁぁあああ!! 「し、しまったぁぁぁッ!!」 はっとして意識を取り戻し、冷静になった途端に叫び声を挙げた。 「パソコンなんかに俺の魔法をぶつければ、壊れるのは当たり前じゃないか!!」 今更ながらに気がついたとしても、もう後の祭り。 やってしまったという気持ちだけが残っている。 「あぁ……なんてことだ。すまない我が友よ、もう一生会えないなんて……」 “け〇おんの歌の素晴らしさについて一晩中語ろうぜ!”と約束していたのに…… まさかそれを果たす前に会えなくなるなんて…… 「さらば我が友よ…、出来れば最後に君の本当の顔が見たかった」 あの時俺が魔法を放たなければこうはならなかったのか…… はたまたもっと冷静になっていればどうにか出来たのか…… 後悔ばかりが募り、今にも自爆してしまいそうになった時。 生き物の防衛本能というか、自分を守ろうとする意志が、その後悔を別のモノに変える。 「そうだ、それもこれも、全てはあいつのせい」 そう言い俺は、一人の忌々しい爺の顔を思い浮かべる。 「ジジめ!!全てはあいつのせいだ!!」 そう、全てはあいつが悪い。あいつが居なければ、パソコンは壊れる事は無かった。 と、見事な責任転嫁を行い、ジジに責任全てを擦り付ける。 誰がパソコンを壊したかって? そんなの今はどうでもいいじゃないか。
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