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綺麗に揃えられた本棚に手を伸ばし一冊の本を抜き取る。
そしてそれを開くとペラペラと捲り内容を確認した。
「面白い……実に面白い。これならジジを上手い具合に困らせる事も出来る」
一通り確認を終えると本を閉じて台座に座る。
その顔は笑顔を浮かべて、例えるなら悪戯を考える子供のよう、捉え方によっては一目に変態と思ってしまうかのような笑顔。
簡単に言ってしまうと超不気味という事だ。
そんな顔で何を見ているかというと、言わずもがなあの本である。
そもそも何故ここまでニヤニヤとしているのかと言えば、その理由は本の内容にあった。
「最上級型の転移魔法、『異世界転生』か」
そう、その内容とは、簡潔に言えば異世界への行き方とその魔法が記載されている。
時空を越えて異世界に飛んでゆくという何とも厨二病末期のニートが喜びそうな内容であった。
それでニヤニヤしているのかと言うとまだそれは五割程度、あともう五割はジジを困らせる事が出来るという歓喜によるものだった。
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