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どこまでも身勝手で自由人な魔王は本を片手に魔法陣を構築していく。
そしていざ完成!!と意気揚々と宣言しようとしたのだが……。
「ん?…これ違うくね??」
完成した魔法陣を眺めて呟いた。
よくよく考えると、こんな魔法は今まで生きてきて見た事も無ければ聞いた事も無い。
それもその筈、なんせこの魔法は未だ未完成、名のある研究者達が生涯を費やしたにも関わらずその出来具合は七割にも満たない。
理論は完成していて事実上は可能
だが実際に発動するのは不可能。
そもそも異世界へ行くなんてぶっ飛んだ魔法を創るなんて……神様も思わずビックリな事をたかが人間如きに出来る筈も無かった。
ただ、それが人間ならの話し。
此処にいるのは世界の常識やらなんやらを全て無視した存在、我らが自由人……魔王様である。
そんな魔王様は、不完全な魔法を一目で見抜き何を考えたのか魔法陣に新たな文字や図形を書き入れていく。
「よし、これならば」
黙々と図形を書き入れていき、やがてその手を止めた。
そして、最初の図形よりもかなり複雑になった魔法陣の中心へと移動すると……。
「発動」
そう一言言い放った。
それと同時に、魔法陣から青い光が漏れだし、俺と魔法陣全体を包み込んだ。
そう、魔法が起動したのだ。
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