魔王様、異世界へ飛び立つ

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「よしよし、ジジよ、まず落ち着こうか?」 おぉ、どうやら感傷的になりすぎたようだ……。 まったく、歳をとってからというもの、つい感情的になってしまう事が多くなった、我ながら情けない事である。 ゼクス様に聞いた所、勇者はゼクス様が自分で制作したモンスターボール? というもの物に封印したらしい。 勇者をあのような玉に封印するなど…誠に恐ろしい玉だ…。 「……なるほど、確かに、してゼクス様はこれをどうするつもりで?」 勇者がこれに封印されているなら好都合。 玉ごと纏めて破壊すれば、それで忌々しい勇者を排除できる。 そうなれば、王国軍の戦力を大幅に削ることができよう。 「ん~……取り敢えずは俺が預かるってわけじゃだめか?」 だが、ゼクス様はそれを拒んだ。 ゼクス様は昔から無駄な殺生を酷く毛嫌いしておられる 恐らく今回もそのお心が痛むからなのだろう。 だが、いずれは立派な大魔王となられる御方だ、そのようではいずれ……。
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