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☆ ☆ ☆
さて、ジジの理不尽な悪意(正直俺のほうに原因はあるのだが)を受けてから数時間後ーー。
「チックショーーーッ!!」
俺はパソコンを片手に、城全体にも聞こえるような声で吠えていた。
何故かというと、あれからパソコンをなんとかを復活させる為、城内至る所を駆けずり回ったのだが。
行く先々でジジの息のかかったスタッフ達に妨害され、電源を巡って激しい攻防戦が繰り広げられた。
だが奮闘虚しく、俺は結局パソコンを復活させる事は出来きず、そして、今は自室にて負け犬の如く大きな声で吠えているーーというわけである。
「くそ、一体どうすればいい。この中には俺を待ってくれている友がいるというのに!」
今だ腕の中で安らかに眠るパソコンに独り呟く。
だがやはり、いくら格好よく言ってみても、虚しき気持ちは増すばかりであり。
こういう気持ちになった時はいつも友達に慰めて貰っていたのだが、その頼りの友達はパソコンの中。
それらはストレスとなって俺の中に溜まっていく。
そして、極度の寂しさと焦りの余り、俺はとうとう血迷った決断をしてしまう。
ほんと、何であんなことしたんだろう。
「そうだ、雷の魔法を当ててみよう」
ゆらりと立ち上がりが、その目はどこか虚ろであっただろう。
その時点でもう冷静な判断が出来ないでいるのは、もう目に見えてはっきりしていた。
「ふふふ。蘇れ、我が友よ。」
そして、手のひらに収束されていく電撃。
それは一瞬、眩い光を放ったかと思うと、次の瞬間には真っ直ぐな軌跡を描いて飛んでゆき、パソコンに直撃した。
「フハハハハ!! さぁ、命を灯すのだ!!」
バチバチと音をあげるパソコンに向かって俺は、目を見開いて高らかに叫ぶ。
一方のパソコンはというと、画面を白黒点滅させながら耳障りな音をあげている。
電撃の強さは手加減をしたと言えど、世界最強と呼ばれる男が放った電撃。
そんな電撃を只のパソコンが耐えきれる筈もなく。
ーーパァン……。
小さな爆発を放ってその存在を消滅させた。
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