序 章

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灰色っぽい空の下、斑に草の生える乾いた地面の上。 少し肌寒い風が、青年の灰色がかった青い髪をさらさらと揺らした。 顔をすっぽりと覆った能面を少しずらし、前方の巨大な建造物を睨みつける。 「ここか……」 空に浮かぶ城、天空城。 青年は眉間にぎゅっと皺を寄せると、能面を戻して再び歩き始めた。 勇者としての仕事は、これで最後でありますようにと祈りながら。
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