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と、向こうにひときわ目立つ男が道の真ん中を、すんごく偉そうに歩いているのが見えた。
ま…まさか……
「う、嘘だろ…?」
それはまぎれもなく、この前の酔っ払い不良のうちの1人、焦げ茶色のショートヘアーのヤツだった。
1人か…。ん?まさか復讐するのに好都合なんじゃ…。
オレは体を強張らせ、ロボットみたいにソイツの方へ歩いていく。
そしてソイツの胸倉を……つかめなかった…。
オレの弱虫!だって怖くて体が言うこと聞かないんだもん!
オレは顔を見せないようにと俯く。首が折れてるんじゃないかってほど俯く。
ソイツはオレをちらりと見ると、
「チッ…」
と舌打ちだけをして、通りすぎていった。
そのことにオレはほっと胸を撫で下ろす。よかった…気づかれなくて…、そして絡まれなくて…。
なるべく早く遠ざかるように、オレは足を速め…………ってオレは何をしているんだあああ!!
オレのバカチンがああああ!!今、仕返ししなくていつするんだ…!
今しかチャンスはない。がんばるんだ久保 勇樹!第一歩を踏み出すんだああ!
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