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闇兜が消えた後、天使ユリナも消した―――笑顔を。
「いやぁ…参ったね。あのこには。ははっ」
するとまた急に笑いながらそういった。
楽しそうに、新しいおもちゃを見つけたように。
そして、はっとすると目をつぶった。
「こんにちは。私はユリナだよぉ?
天使ですよぉ?
そして、仕事は魂の仕分け係的なぁ。
たったいま、闇兜君を切っちゃった所です。
闇兜君は、切られてから、苦しそうに声を出すと、あおぐろい炎になって、きえちゃいました!はははっ!」
楽しそうに嬉しそうに誰かに話始めた。
目はつむったままだ。
(実際は、黄色い光になって、消えるのに。ははっ
あ。また、魂がきたから、闇兜君の異常さと比較してみよ!ははっ!)
ユリナは目の前に表れた白いふわふわとしたものを、あの天使の微笑みを浮かべながら見つめた。
「うぉ!?ここは?」
その白いふわふわしたものこそが、本来の魂の姿だ。
しかし。
(闇兜くんは、人間の姿だった。あははっ!)
天使が心のなかで呟くように、闇兜は人の姿だった。
これは、異常である。
前例が無いわけではないが、それは起きてはいけない。
必ず神々の意識の下でそれは起こさせられなければいけない。
「ここは、天国と地獄の仲介線。」
ユリナは魂に話しかけた。
「あ、あなたは?」
いきなり綺麗な人が表れたからか、魂は少し緊張をしているようだ。
「魂の仕分け係」
ユリナは答える。静かに……笑顔で、短く。
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