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路地裏から出てきたのは闇兜一人だった。
―――――――――――
後に流れた噂は、こういうものだった。
“アイツは外道だ。逆らうな。”
もともと、悪ふざけで噂を流していた男子生徒は、卒業と同時に県外の学校へいったらしい……
噂では、“アイツ”から逃げるためだったとか。
―――――――
そんな、闇兜曰くめんどくさい状況を恐怖に変えて、闇兜はのりこえたあと、
{醤油切れたなんて、なんて運が悪いんだ…死ぬ。}
闇兜は、醤油を買いに来ていた。
近くのスーパーに。
こんなかなりバカな心の呟きも、闇兜の今の状況をしれば、
たとえ闇兜が本当に外道だとしても、憐れに……
「あ"ぁ!?…ぶつかってんじゃねぇよ、ガキ!!」
「あぁ----ん!!ままぁ!!」
………ならないか。
ただ、はしゃぎすぎてぶつかっちゃっただけな子供は、なぜか必要以上に怒られてしまい、泣きながら母親にしがみついた。
母親は、闇兜の事をしっているためか、顔を引き付けるだけだった。
そう。
闇兜は奥さんたちの間では最早“タブー”。
その理由は…いずれ分かるだろう…
やがて、醤油もかえて、帰っているときだった。
――ポツ。
「んぁ??」
頭に落ちた、何かに気付いて顔を挙げれば、
「ちっ。あめか?」
黒い嫌な雲が勢いを増していた。
闇兜は舌打ちをし、買い物袋を抱えながらはしった。
{ふ。俺を濡らせるなんて思うなよ。}
大自然に、喧嘩をうるというバカなことをしながら。
。
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