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それが悪かったのかもしれない。
雨はほとんどふって居なかったが…………
―――ピカッ。…ドガーン!!
{雷かよ。卑怯だぞ!?}
いや、なにが?といいたいとこだが、バカな思考をしながらも、まだまだはしる闇兜。
……だが、闇兜は俯いて。
なにより、必死で天気と戦っていたからか(敵の様子ぐらい見ろよとおもうが)、
知らなかった。
雲が、空が…紫に鈍く光っていたことを………。
。
アパートの自分の部屋にやっとついた闇兜。
{よし。勝った!!………………あ!!!}
何かに気づいた闇兜は、急いで家に入った。
そして、どたばたとベランダにでた。
「急げ!!!」
と、叫びながら部屋にいれた
……洗濯物を。
ただの洗濯物、されど洗濯物。
闇兜は必死で取り込んでいく。
「くそ!!これがあるから…あ゙ぁ!!あめがぁ!!」
かなり忙しそうだ。
とにかくすべていれ終わってほっとしたときだった。
「うわ!!物干し竿が!!」
強い風がふき、闇兜の愛用?の物干し竿を飛ばそうとした。
かろうじて端を掴んだ。
「うっしゃ!!」
闇兜は喜んでいるが、実は今の闇兜の状況はかなり危ない。
風に飛ばされまいと端をつかんでいることで、
闇兜はいま空にむかって、よりにもよって金属製の物干し竿を伸ばしているばかにしか見えないのだ。
しかも、あやしい紫の鈍く光っている、雷の音が響くこんなときに。
そして!!
「ま、まぶし!!」
目をつぶってしまうほどに強い光と、同時に。
――――ドガーン!!
いま一番の雷の音がなった。
―――――――――――
ピーポーピーポー…
ウー…
救急車、消防車、ついにはテレビ局まできていた。
『こんにちは皆さん!!こちらは、雷が落ちたアパートです。情報によれば、今回落ちた雷は、なぜか通常の100倍の電気がながれていたらしいです。
そして、落ちて被害は一部屋だけでした!!
奇跡です!!』
テレビに写っていたのは闇兜の部屋だった。
部屋は、赤々ともえていた。
『いま入った情報です!!部屋の主は、独り暮らしをしていた弧芯闇兜くんでした。
いま、
死亡が確認されたようです……』
。
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