弐 動乱の時代

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「……が、頑張ります!」 意気込む宗次郎の頭を撫で、井上は道場へと向かった。 「あっ、源さん!おはよう」 道場に現れた井上に気付き、食客の藤堂平助が挨拶する。 藤堂の言葉に、稽古をしていた他の者も手を止め、井上に声をかける。 「おはよう。今日も皆元気だね」 「そりゃ、元気しか取り柄がないからな!」 素振りをしていた食客の永倉新八がそう言いながら朗らかに笑う。 「つっても、このご時勢だ。健康でいられるだけ、ありがてえってもんよ」 藤堂と打ち合いをしていた原田左之助は、手拭いで汗を拭きながら苦笑を浮かべた。 食客として道場にいる者達のうちの彼らは、今日も仲良く鍛練に励んでいるようだ。
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