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「もしもし恵美?」
[うん]
?
いつもなら[はあい]と少し甘えた声で返ってくるはずなのに、今日はとても沈んだ返事が返ってきた。
「どうした?」
[なにが?]
やはりおかしい。
「なんかあっただろ?」
[別に]
「話してみなって」
出来るだけ優しい声で問い掛けた。
「何もないって!!」
しかし返ってきたのは怒鳴り声だった。
付き合ってから初めて恵美が声を張った。
「え…恵美?」
[もう今日はいいや、切るね]
「は!?おい!」
[バイバイ]
「待てっ!」
最後の叫びは恵美に届かず、冷たい電話の切れた機械音がなっていた。
なにがあったのか
オレにはまったくわからなかった。
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