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『おいおいおい…これはこれは空手バカじゃないですか。最近調子ぶっこいて、偉げにハバ利かせよ~るらしぃのぉ?。お?』
正樹だ。
こいつは三樹雄と同じ空手道場出身で、三樹雄とは何やら因縁深いモノがあるみたいだ。
『なんなら、正樹よ~。そりゃ~ケンカ売っとるんかぁ?。じゃったら、そがぁなまどろっこしいこと言わんと…ホレ、かかってこいや』
三樹雄スタンスはいつも空手の型だ。
両足を軽く開き、右手を前に出し、左手は曲げて腰の位置に置く。
俺が相手なら、その型をされればうかつに近寄れない。
正樹はバカではなく、やはり近寄れず
『そがぁに熱ぅなんなやぁ~三樹雄。…心配せんでも秀幸さんが来たら、一番にやっちゃるけぇ~。ま、そん時はビビって逃げなや』
大概悪者が吐く捨て台詞。
誠司が
『秀幸がなんなら。やるんなら、今やらんかいや。このチュン太郎が、お?』
チュン太郎とは根性無しの代名詞で、蔑んだ言い方だ。
『お~誠司よ。そりゃ秀幸さんにケンカ売っとるってことか?。ま、三樹雄も誠司も…終いじゃの。どっちにせぇ、お前ら全員…死刑じゃ…。ほな、わしはこれで…アハハハハ』
今すぐにでも正樹を殴りたい、と、みんな思ったが動かなかった。
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