過去

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父親は婆ちゃんちに預けて放置してたわけでなく、正月、GW、夏休み、盆休み、冬休み…その月々の連休、と、ちょくちょく来てくれてた。 兄ももちろん一緒に。 長い休みの時には、父親も兄も婆ちゃんちに泊まって、兄に至っては、長期休み中ずっと泊まったりした。 気にはしてなかったと思うが俺は嬉しかったんだろう。 父親の車が遠くから見えたりしたら、遊びの途中でも急いで帰り、驚かそうといつも停める駐車場で隠れてたこともある。 婆ちゃんもそんな日は嬉しかったんだろう。 父親が来る日は決まってホルモン焼きだからだ。 俺の家系は、昔は地主だったが、その頃は正直貧乏だった。 だから、ホルモン焼きは高級だった。
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