繊細

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数ヶ月ぶりの再会は妙に照れ臭く、素直に表現できない俺がいた。 『元気しょったかぁ~』 父の第一声は決まってこうだ。 俺は笑いながら頷く。 兄には少し人見知りするとこがあり、弟の俺にも数ヶ月のブランクは人見知りな性格が出てくるみたいで、大概マンガ本を読みながら下りてきて、俺に会うや否やそのマンガ本を無言で俺に渡してくる。 俺もそのマンガ本を受け取り、意味もなくその場で開く。 そうして三人で婆ちゃんちに向かう。 婆ちゃんちに着いたら、父は婆ちゃんと会話を、俺は兄と話をしながら、おにぎりを食べる。 今思えば不思議で、数ヶ月の時間がまるで無いかのように、この風景が当たり前の日常だと錯覚するぐらい、違和感がなかった。 昨日の昨日まで、俺と婆ちゃんの二人で昼飯を食べていて、それが毎日繰り返されていたのに、今日は父と兄がいる。 全く違う風景なのに普通に感じる。 なぜそうだったのか。 ぎこちなさもなく、ずっとこうだったかのような雰囲気はなぜだったのか。 その時俺は何を感じていたのか。 あの時の俺に聞いてみたい。
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