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「なんでって…言われても」
返答に困る。なんと説明しよう。音楽室を勝手に覗いたなんて言いたくない。
「ぐ……偶然」
どんな偶然だよ。
心の中でつっこんでみる。
桂斗はすっと目を細めた。
「偶然、ねぇ…へぇー」
奏空は自分の鼓動が高鳴るのを感じた。
「ま、いいや。柊木先輩は基本和服だよ。なんでも、日本固有の文化が好きみたいで」
じゃあ、どうしてトランペットを。
「あの先輩、和服が好きなんだよ。ただ単にさ。だから、自分の楽器が日本のものじゃなくても良いんだ…多分」
「よく意味が分からないけど」
「要するに、柊木先輩は和が好きなんだよ!!」
(だから、矛盾してるって!!和が好きなら、どうしてトランペットやってんのよ!?)
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