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月曜日。
いつもより二本早い電車で登校した美山奏空は教室に誰一人いないことを認め、小さなため息をついた。
(ちょっと早すぎたかなぁ……)
今日は高校入学してから、初めての日直だった。
朝に教室の掃除をしなければいけないため、早めに登校したのだが……。
もう一人の日直の姿もない。
「やっぱり、早かったよね…」
声に出してみたが、余計に虚しくなるだけだった。
(もう…早く来てよ!)
まだ慣れていない教室に一人きりというのは、なかなかに違和感がある。
二回目のため息が彼女から漏れる寸前、その耳にある音が届いた。
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