日直

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奏空が教室のドアを開けると、不機嫌そうな声が降ってきた。 「遅い」 隣の席でもう一人の日直、古屋桂斗が仁王立ちしていた。 「わたしのほうが先来てたんだけど」 頬を膨らます彼女の姿に、桂斗は堪えきれず笑い出す。 「なにがおかしいの?あんたの頭がおかしくなったの?」 口調がどんどん荒くなってしまう。 しかし桂斗も負けてない。 「とにかく、学級日誌を取りに行かないと…。美山、行ってこいよ」 「はぁ!?どうしてわたしが?」 「遅れて来たからに決まってんだろ」 (遅れたのはあんただろっ!!) 奏空は無意識に拳を固めた。
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