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「おーこわっ。なんだよ、その目」
殺気を隠さない奏空に、桂斗が肩を竦める。
そして、あきらめたように、
「しょうがない。取ってきてやる」
「あたりまえでしょ」
奏空は腕を組んで応えた。
(わたしは遅刻したわけじゃない!!)
いまだに消えない怒りをそのままに、もう一つの仕事をするため、掃除用具ロッカーを勢いよく開けた。
乱暴に箒を掴み、教室内を軽く掃く。
頭の中に、あのトランペットの音色が響いてくる。そして浮かぶ、あの和服の部長。
(確か…名前が…)
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