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窓からベッドに射し込んでくる陽に起こされたかのように、男は目を覚ました。
男の名前は春日猛(カスガタケル)。
髪は暗めの茶色で長さはミディアムで毛先は外にはねており、瞳の色は黒よりも茶色に近い。
身長は175cmとそこそこ高く顔はなかなかの美形であり、近くの大学に通う大学生であった。
今は寝起きの為か、服装はTシャツにスウェットとラフな格好である。
そんな猛は悪夢を見たせいか、体中汗だらけになっていた。
「―――いったい何なんだろう。いつもいつもあの夢は………」
俯き、髪をかきむしりながら悪態づいた。
ただ闇の中で立っているだけの夢。
そしていつまでも続く静寂。
そんな中に、自分がいたのだと考えるだけでも気持ちが悪くなった。
自分だけが闇の世界に取り残された錯覚に陥る。
この夢を見出したのは、ここ2・3ヶ月前からだった。
こう頻繁に同じ夢を見ることになると、何かの暗示なのだろうか。
(………馬鹿馬鹿しい。世界が闇に覆われることなんてあるはずないよな)
猛は鼻で笑うと、自分でも笑ってしまうような妄想を振り払おうとするかのように首を降った。
ベッドから立ち上がると、毎朝の日課であるシャワーを浴びるために、タオルを片手にバスルームへ向かった。
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