プロローグ

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シャワーを浴び終えて出てきた猛は、何時もより起床時間が大分早かったが、大学に行く為に私服に着替えた。 その後、タオルで髪を乾かしながらコーヒーを淹れる。 これも毎朝の日課だった。   朝に自分で淹れたコーヒーを飲むのが猛は好きだった。 缶コーヒーも好きなのだが、やはり香りもコクも自分の好みにできるため、毎朝自分で淹れるようにしていた。   (毎朝のこの1杯があるから、俺は1日頑張れるんだよな)   猛はコーヒーの香りに顔を綻ばせ、淹れたてのコーヒーを片手に部屋にあるソファに座った。   コーヒーを飲みながら、つい最近購入したファッション誌に目を通し始めた。   オシャレに気をつかう猛は、必ずファッション誌で自分の欲しいアイテムがあるのかチェックを欠かさなかった。   だが、バイトもやっていないことはなかったが、ファッションに使うほどのお金は稼いでいなかった。   それどころか、パチンコなどのギャンブルにバイト代を使ってしまうような生活をずっと送っていた。   (今度パチンコで稼げたら買うとするか)  そのため、猛はいつもこう考えていた。
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