第十六幕:謎

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彼を思い出すと、苦しくなる。 私がこの手でとどめさした時の彼の表情。 妖艶に微笑む彼の表情。 思い出したくないのに、高田さんを見るたび、思い出してしまう。 高田さんに彼を重ねたい訳じゃないのに。 「春?春まで俺を無視すんの?」 「あっ…!ごめんなさい!ちょっとぼーっとしてました!」 いけないいけない。 すっかり自分の世界に浸ってたよ。 高田さん涙目だし。 悪いことしちゃったな。 「!?」 そ、それより! ちちち近いんですけど!?/// 「キャアッ!」 反射的に目の前の彼の胸を力一杯つっぱる。 「おわぁっ!」 バランスを崩してしまった高田さんは尻餅をついた。 ・
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