仕事の鬼

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カチカチカチ カチカチカチ カチカチカチ オフィスにはキーボードを叩く音だけが響く。 「あのぉ―…宮本先輩……」 声をかけてきたのはこのオフィスの看板娘。 高橋 楓(タカハシ カエデ) 24歳のまだまだ若い社員。 長い髪はパーマでくるくるふわふわ。男ウケは良すぎるくらいだ。私が見ても可愛いと思う。 「昨日…家に帰ってこの資料を見直したんですが……この〇〇会社との取引価格見てください。おかしくないですか?」 そう言って渡された資料は今日の会議で使用するもの。 この資料は一昨日、田中くんという社員に任せたもの。 「!!なにこれ…どうゆうこと…」 資料に記されていたのは明らかに間違った数字。 「大変…!!楓ちゃん、この数字を急いで訂正して!訂正したのを100部印刷よ!!」 「は、はいっ!」 私は資料を持って片岡さんの部屋へ向かう。
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