0人が本棚に入れています
本棚に追加
身を切り裂くかのような寒空の下、良い子なら仮初の夢の中へと旅立っている真夜中に、一人立っている。
男はなにをするでもなく、雲一つない夜空を眺めているだけ。
「来ねえな、流星群」
ポツリ、と呟く。
今夜は何百年に一度しかないと言われる、ある流星群の日であった。
しかし、この男は別に天体や星空に興味などなく、ふと思い立って外にいるだけであった。
(俺なにしてんだろ。帰ろ)
男が踵を返すと、キランと。
視界の端で何か光ったように思えた、次の瞬間。
ボンッ!!と爆音。
すぐ近くのアパートの一室が爆発していた。
「瞬め……またやりやがったな」
男は衝撃的光景を目撃したにも関わらず、呆れたように走り去る。
最初のコメントを投稿しよう!