Prologue

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身を切り裂くかのような寒空の下、良い子なら仮初の夢の中へと旅立っている真夜中に、一人立っている。 男はなにをするでもなく、雲一つない夜空を眺めているだけ。 「来ねえな、流星群」 ポツリ、と呟く。 今夜は何百年に一度しかないと言われる、ある流星群の日であった。 しかし、この男は別に天体や星空に興味などなく、ふと思い立って外にいるだけであった。 (俺なにしてんだろ。帰ろ) 男が踵を返すと、キランと。 視界の端で何か光ったように思えた、次の瞬間。 ボンッ!!と爆音。 すぐ近くのアパートの一室が爆発していた。 「瞬め……またやりやがったな」 男は衝撃的光景を目撃したにも関わらず、呆れたように走り去る。
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