193人が本棚に入れています
本棚に追加
なのに。
なんでかな……。
もう終わってるはずなのに、人間ですらねえ気がすんのに。
この心臓は、今でも時々ぎゅっと締めつけられるような痛みを感じて、俺を苦しめる。
まもなく俺の部屋まで漂ってきた料理の匂いは、今でも覚えてる匂いで。
昔は同じ空間にいて、「早く飯にしてよ。マジ腹減ってんだけど」なんて急かしたりしてたのに。
くそっ……。
どうせなら、心も無くなっちまえばいいのに。
「痛え……」
真っ暗な部屋の中、自分の声だけが小さく響いた。
最初のコメントを投稿しよう!