辺境遠征(後編)
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「スキッダル、さっきはありがとな。助かったよ」 ワルトは兵士に礼を言って帰すと、兵士とのやりとりを黙って見つめていたスキッダルに声をかけた。それからすぐに、道を東へ、少女の逃げた方へと駆け出した。 「ほんに、変わった若造じゃ」 走り去るワルトを無言で見送るスキッダルの後ろへ、師匠が杖をつきながら歩み寄る。 スキッダルの表情を見なくとも、師匠はスキッダルが口元に笑みが浮かべているのがわかった。
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