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創主から見れば、桜華はただ単に根が生真面目過ぎるだけであり、その生真面目な性格故に、桜華は何の相談もなく時折自分一人で勝手に行動を取ってしまうことも多々ある。
創主としては少しは相談してもらいたいと思ってはいるものの、主に余計な心配をかけまいとする桜華の気配りに敢えて甘えているのである。
「しかしまぁ、こうも暇過ぎると、どうも身体が鈍って変な感じがするんだよね~。いっそのこと何か異変でも起こしてみるか」
「それで皆様に迷惑掛けてしばき倒されては世話になりませんよ」
「だ~から、あの時は不可抗力だって言ってるじゃん!!」
「不可抗力だからと言って、くしゃみで思わず破壊光線をブッ放して他の次元を貫通させるなんて、世界広しと言えど創様くらいですよ?」
「うぐぅ……。桜華も意外と痛いこと平気で言うようになったね~」
「それだけ付き合いも長いですからね。それに、貴女様相手に減らず口を叩けるのは、私か開花様くらいしかいないでしょう」
「開花かぁ~……。そう言えば久しく会ってないよね~。アイツも元気にやってんのかな?」
創主はふと自分の旧友の事を思い出す。
長い旅の中で出会ったとある世界の闇の王と呼ばれし存在。……居場所を無くした創主の存在を初めて認めてくれた唯一の存在にして、創主の大切な親友の一人。
「多分お元気で過ごしていられると思いますよ?ただ、開花様よりも、開花様の器となっている方が些か心配ですが……」
「海君のこと?……ありゃしょうがないね。機関の総大将としての威厳が既にトランプタワー状態だからね」
「ほんのちょっとの事ですぐ壊れるというやつですか?」
「そ!まぁ、海君なりにも頑張ってはいるみたいだけどね。まぁ、機関の面子が面子だから私にもどうしようもない」
「フリーダムな方々が多いですからね」
「だけど、せめて沢君程度は抑えられないとね~。……多分無理だろうけど」
「さり気に何か酷い事を仰いますね。……そんな所も創様らしいと言えばらしいですが」
「そりゃ褒めているのか、貶しているのかどっちなんだい!?」
「どちらかと言えば、貶している方ですね」
「うをおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉい!!!?」
何気ない表情で言う桜華に対し、盛大な突っ込みを入れる創主であった。
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