ある晩の出来事

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扉を開けてみると そこには 仲裁に入ってる 知らないお爺さんと 父と母……。 見た事もない 鬼の形相の父の顔に 足がすくんだ 母が涙を流しながら 私を見つめて 『こっちにおいで…』 と私を膝に座らせた 《お母さんだ!夢じゃない‥》 うれしかったけれど、 状況から母は、帰ってきた訳ではないと、さとった‥。 私達の登場に父も 声を荒げる事はなくなり 聞きたくない 醜い言い争いを お互い声を押し殺して 話出した……。 兄が その空気に絶えれなくなり 私の手をつかんで 『もう寝よう‥』 と母の膝から引っ張りだした 母は立ち去って行く 私と兄を見ながら ワンワン泣くばかり‥ 兄は、振り返る事なく 力強く私の手をつかんでいた 部屋に戻って布団にもぐり、 下から漏れて来る声を 私は必死で聞いていた その時二段ベットの上で 兄は、何を思っていただろう ただ、ジッと2人で 下から漏れてくる声を 聞いていた ・
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