其の六・五

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彼方と俺は小さい頃からずっといっしょだった。 彼方は小さい頃からあんな感じで、何をやらせてもなんでもできる奴だった。 それに俺は勝てなかった。俺が一番できる勉強でも。 高校に上がってから、彼方は生徒会に誘われた。 彼方は一人でやればいいものを俺を引き込んで生徒会に入ることを決めたんだ。 あんなにチャラチャラしてるのに。 嫌いだ。 そうして、俺達は二年生になった。 生徒会に入ったからと言ってあいつは何が変わるわけでもなかった。 ただし、俺は変わった。 正確には俺の生活が。 「冬夜くん、彼方くんは?」 生徒会長に聞かれるが俺と彼方は同じクラスだけどいつも別々に生徒会室にくる。 「……知りません」 きっとまた、 「また具合悪くなっちゃったのかな」 仮病だろう。 「大丈夫かなぁ」 この会長は何がいいのかわからないけど彼方のことが好きらしい。 前に何故あいつなのか聞いたら誰でも受け入れてくれそうだかららしい。 確かにそうでしょうね。 あいつはきっと誰でも抱くだろう。
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