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「…どうしてみんな家に入って窓閉めて…カーテンまで閉めてあるや。なんで…」
「きゃぁー!!」
「!?」
冷静に状況を分析していたグルトが聞いたのは幼い少女の悲鳴。
悲鳴の聞こえる方へ目を向けると、国の軍隊が孤児…ストリートチルドレンと思われる少女を追いかけまわしていた。
(…は…?)
「かっかっか!!小娘!!逃げろ逃げろははは!!」
「はぁっ…いやっー!!」
ー弱者は虐げられる。
それは彼も体験している。家もなく親もおらず、金もない者は恵まれた奴に虐げられる運命…。
(でも、帝都フードではこんなことはなかった…。せいぜい皮肉を言われるくらいでなんだかんだで裕福な子は助けてくれた…。)
だからこそ彼は今、仕事をすることができて、旅もさせてもらえる。
「誰かっ…助けてー!!」
沸々と湧き上がってくる怒り
気がついたときには足が動いて、グルトは少女を抱きかかえて走っていた。
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