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(ああぁぁあ…っボクの馬鹿っ!!)
逃げるあてもなくただひたすらに逃げ回るには限度があり、グルトは行き止まりに追い込まれてしまった。
「かっかっか…小僧…覚悟しろいっ!!」
(…っく!!)
グルトが諦めて少女を守るように身をかがめて目を閉じたとき
ーキィンッ
金属同士がぶつかるような高い音が聞こえ、その後に女性の声がした。
「大丈夫か、坊主。拙者は羊羹先覚こと藍。この国に対スィーツィアとして雇われた…のだが…」
「な、なら何故邪魔をする!!」
ちら、と貴族の男を見据えて藍ははっきりと言った。
「スィーツィアとは戦うが、非道徳な輩の言いなりになるつもりはない!!」
腰に手を当て、男を指差して高らかに宣言した。
と、同時に上からシュタッと藍の仲間らしき人々が現れた。
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