雨女。晴れ男。

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「こんな空の下…草むしりしろとか…バカだろ」 これは最早、嫌がらせの何ものでもないと思う。 「ヒソ…ほら…あの子」 ヤケになり草むしりしていたら、校舎の窓ごしから女子生徒の声。 チラッと視線を向けると、こちらに指をさして喋っていた。 「あっ、知ってる。2年B組の松下涼夏でしょ」 「そう、雨女って言われてる…」 噂って怖い…とつくづく思う。あることないことが混ざると、とんでもない話が作り出されてしまうのだ。 「大事な時に限って雨降るんだって。あの子がいると」 「そうそう。実は雨乞いの儀式とかしてるらしいよ」 「えーホントに!?」
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