序章

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少年ティッドが剣の稽古に励んでいたその時代。 グラン王国は不安定な情勢だった。 初代国王が、この国を統治したのが数年前。 まだ、どこにも属していないこの地方を瞬く間に統一した。 そして、あまりにも広大な国土の為、初代国王は貴族制度を導入した。 それぞれの貴族に領地を与え、好きなように治めさせる。 その統治方法に国が口を出さない代わりに、一定の税を納めさせたのだ。 そして、他国との戦争に突入した場合、私兵を率いて参戦する。 それが初代国王が示した政策だった。 しかも、この時代は争いが絶えなかった。 常にどこかで戦争があり、人々の生活は豊かになる事はない。 そんな中、突然おきた異変。 人が魔族に変わる……。 理由は誰も判らない。 ただ、遥か昔より魔族の存在は知られていた。 幾度となく人と魔族は争って来た歴史も存在している。 それでも今までは他人事だと思っていたのだ。 それ故に、人々の驚きは大きかった。 突然魔族に変異する。 人々は恐怖しながらひっそりと暮らすしか出来なかった。
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