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息を切らしながら丘を駆け上がり、フェリスの暮らす家へと向かって行く。
家というより屋敷といった方がピッタリ来るほど大きく、敷地を囲むように塀がある。
「すみません!」
ティッドは、屋敷に向かって叫んだ。
フェリスの両親には、あまり良く想われていないティッド。
それ故に、フェリスの屋敷に来るような事は無かった。
「すみません!」
それでもティッドは叫び続ける。
だが、何度となく叫び続けても誰も出て来ない。
「誰も居ないの?」
ティッドは敷地の中へ入って行く。
勝手に入った事に罪悪感を覚えながら、ティッドは屋敷の玄関前まで来た。
「すみません!」
ティッドは再び叫ぶ。
そして、何度目かの叫び声に応えるように、ゆっくりと玄関の扉が開いた。
「あ、あの……」
姿を見せたのはフェリスの母親だった。
目を真っ赤に腫らし、頬には涙の跡が残っている。
「ティッドかい……あ、あんたが居なけりゃフェリスは……こんな事にならなかったんだよ!」
フェリスの母は怒鳴り散らし、ティッドを殴り始めた。
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