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手に届かない事、って諦めないといけないのだろうか。
月とスッポンてことわざ通りな俺と先生の関係。
「背伸びするって、いけないことですか?」
いつもの上辺だけのポーカーフェイスで聞いてみる。先生は目尻に皺を作って笑う。笑うといつもより幼く見える三十路も過ぎたオッサンが。
「おぉ、お前もそんな歳になったかぁ。先生嬉しいなぁ。あ、マジだぞ!?」
「…ハハ。なにそれー先生って俺の親父かよ!」
我が子の成長を見守るってシチュエーションですか。確かに本当の父親なら毎日一緒に居られるんだろう。休日は何処か車でドライブしたり。
でもそれじゃぁ…、俺は嫌なんだ…。
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