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その後入学式は無事終わり俺は一年三組に振り分けられ、教室にいた。
一年三組の担任は「配布する書類を取ってくるので」と言って教室を出ていき不在。
今日はフラグをたてる予定はないので、今のうちにクラスの顔ぶれを確認しておこう。
……女子ばっかりだ。
そして俺たち男子は、
――六人しかいない。
これでは男子:女子=1:6だ。
なんか泣けてくるな。
さすが女子高だ。
そしてその内三人は女子に、いきなり開幕パンチを繰り出している。
「終わったな……」
俺はそう呟く。
別に絶対に初日からアピールをしてはいけないというルールは存在しない。
だが問題なのはその男子どもが、あからさまに女子に対してデレデレした態度をとっていることだった。
それは同じ男である俺にも解るほどだ。
ああいう奴は最終的に嫌われる、もしくは言い様にパシりに使われるだけだ。
もしくは振られ続ける結果、言い換えるとバッドエンド直行ルートだ。
何十というギャルゲーをしてきた俺にはそう予測できる。
「全くだな」
その瞬間、俺は先程の「終わったな」という発言からフラグがたったことを確信した。
だがこれは、
「いきなり初日からデレデレ女子に話しかけるか?普通考えられねー」
聞いての通り、『友情フラグ』言い換えると『後に親友となる人』とのイベントだ。
なのでここはちゃんと返事を返しておく。
「……ああ、そうだな」すると相手は、
「俺は桐井亮(キリイリョウ)。よろしく」
聞いてもないのに自己紹介をしてきた。
ここは返すべきか、それとも返さない方がいいのか。
…………。
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