ﾌﾗｸﾞBOY

firstday

俺は純と学校で別れて帰宅途中、少し苛立っていた。

理由は簡単……というか分かるだろう？

それは俺が純とのイベントを『恋愛イベント』ではなく『交遊イベント』だったことを見抜けなかったことからきている。

「……もしかしたら『積極性』のレッテル、貼られたかもな……」

俺は若干マイナス思考気味にため息をつく。

あの場面、本当は『何もしない』という選択肢が正解だったのだ。

相手の属性も知らずに話しかけては今回のように『参加するイベント』を間違えてしまう。

純の場合、一番イベントを間違えてしまう可能性が高い『天然』属性だった。

あの時仮に何もしなかったならば俺と純の関係は『変化しなかった』だろうが、今の自分のように『周りにいた先輩』に舐められることはなかっただろう。

そして本当は手に入れることができた『純のメールアドレス』もあの場の空気のせいで手に入れることが出来なかった。

いや、でもそれだと純との接点が存在しないことになってしまう。

……。

家に帰ったら今日は予習の意味も込めて天然属性の子を攻略するか。

俺はそう思った。