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……と思っていたのだが神はそんな俺を許さなかったようだ。
その後俺はまるでそうなるのが規定事項だったかのように、弁当も食べていない、昼前の学校の校門前でイベントに見舞われることとなる。
――それは帰宅するために俺が学校の校門前広場を歩いていた時のことだった。
早く帰ってギャルゲーという名の栄養補給をして、フラグをたてるタイミングを練ろう。
俺はそう頭の中で今日の予定をたて、自然と早くなる足に身を任せていたその時。
ドサドサドサッ、と沢山の見ているこっちも哀れに思えてくるほどの量の本が自分の前を歩いていた女子の鞄から溢れだした。
「うっわあ、最悪~」
「急にどうしたのさ、純。……ってあちゃ~、それどうしたの」
純と呼ばれたポニーテールの髪型をした女子は溜息をつく。
「一年の時から使ってた鞄の底が抜けちゃったんだよ~」
「新しい教科書もらった今日、このタイミングで? 相変わらず運悪いねー」
「相変わらずって言うな~!」
「……」
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