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そして、放課後。
友助は氷楽坂先生にあえなく捕まってしまったので、悠人は一人で帰宅の途についていた。
「友助、大丈夫かなあ……
とって食われてなきゃいいんだけど。」
と言いながら角を曲がった、その時。
「………………」
「……え?」
そこにいたのは、黒いドレスに身を包み、
犬耳が垂れたような髪型をした、幼い少女だった。
「………………」
「あ、あの……僕の顔になにかついてる?」
「いえ、ついておりません。」
澄んだ鈴の音のような声で、少女は喋った。
「それじゃ、なんで僕をじっと見て……」
「これをお渡しするためです。」
そう言って少女が差し出したのは、
長方形の青い封筒だった。
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