神様と一人の男

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他の属性神の生まれ変わりの人たちは、そんな他の人の考えを否定している。 私たち属性神にとって、自分たちの絆が“総て”だ。 私も、そう思う。不確かなモノなんだって言う自覚はある。 でも、やっぱり私も彼らと同じく、この絆に縋ってしまう。 普通の人たちには理解されない……される事の無い領域、世界。 「閖ぃ!!そんな顔してっと、どんどん幸せが逃げて行くぞ?」 「閑……うん、そうだね?」 初日だからか、それとも夏の暑さの面影のせいか、目眩がしたのかも……ね? ありがとう、閑。 愛結と稔はそんな私たちのやり取りを、疑問符を浮かべ閑を睨みつけながら見ていた。 閑はそれから学園までの道のりの間、私の後ろでついて行くようにして黙って歩いていた。 愛結と稔はそれぞれ話をしていて、私もその話題にちょこちょこ入って学園までの道のりを歩いたのだった。
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