神様と一人の男

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「……うん」 愛結はそう言いながらも、深い溜息を吐く。もうそれはそれは、魂が出そうなくらい深いため息を。 「っほら!!さっさと帰ろう?」 「う、うん!!」 私がそう言うと、愛結は嬉しそうにして返事をする。そして私たち二人は寄り道をせずに、真っ直ぐ家路を歩き出した。 帰りは稔は日直、閑は知らない間に何処かへ行ってしまったので、私と愛結だけ。 「あれ?閖さん?」 「っあ!!里久!!」 「っあ!!りっくん!!」 「……その呼び方、止めてくださいよ、愛結さん」 帰っている途中、髪は茶色、瞳は緑色をした男の子に出会った。 彼は生頼 里久〈おうらい りく〉。閑の弟だ。 彼も私たちと同じ様に、土の属性神の生まれ変わり。
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