神様と一人の男

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私と閑はいつも一緒に居るから、逆に居ないと変に見えるのだろう。 自分たちが嫌っている人間が近くに居ないと変な感じになるなんて、矛盾してる。 それから三人で、他愛も無い話をしながら帰路を歩いた。 「それじゃぁ、閖!!また明日ねっ」 「さよなら、閖さん」 「バイバイ!!愛結、里久」 二人は私に別れの言葉を言うと、それぞれの家のある方に向かって歩き出す。 私は真っ直ぐ歩いて、周りのどの家よりも大きく、そして家々の中心にある屋敷に入った。 「お帰りなさいませ、閖さん」 「お帰りなさいませ」 「……ただいま」 私が家の玄関を入った瞬間、お局たちが私の回りを囲み、荷物などを私から受け取る。 私はお局たちに荷物を渡すと、自分の部屋に向かう。でも、その途中で会いたく無い人に会ってしまった。
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