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こんなのでも、私の母である事に変わりは無い。私の事なんて手に取る様に分かるのだろう。
漸く大人しくなった私を見て、彼女は満足そうな表情を浮かべ最後に一言言って、何処かへ行ってしまった。
“みんな、解放されたいって願ってるわ……勿論閑も、ね？”
最後にあの人が放った言葉が、私の頭の中で何度もリピートされる。
このまま立ち止まっていても仕方がないと思った私は、重いモノを背負いながら自分の部屋に向かう。
「よう、お帰り。遅かったな？」
「……閑!!」
部屋に入る為の襖を開けると、そこには閑が居た。閑の顔を見るなり、自然と笑みを溢すが、母の言葉が頭を過る。
急に暗くなった私を気にしたのか、閑は心配そうな表情を浮かべながら首を傾げる。
私は襖を閉め、閑に近付く。閑は黙って私が話し始めるのを待っている。
「閑……閑は私から解放されたいって思ってる？」
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