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「っえ?」
私の質問が唐突過ぎたのか、閑は目を見開いて私を見るだけだった。私はそんな閑に向かって言葉を紡ぐ。
「閑は“絆”が無いから、私に構う必要なんてないんだよ!!離れたくなったら、いつでも離れて……」
「ちょっ、ちょっと待ってよ、閖!!」
閑は興奮状態の私の肩を掴み、真剣な眼差しで私を見る。私は小さく震えながら閑を見上げる。
閑は暫くすると、深いため息を吐く。
「一体どうしたの?誰にそんな事言われたんだよ?」
閑は大きな声で言わず、優しい声で私に尋ねる。
私は閑から視線を話す。閑はその私の行動から察したのか、眉を寄せ、皺をつくる。
「“あの人”に言われたの?」
「……」
彼の言う“あの人”。それは、私の母を指している。
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