神様と一人の男

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私は閑に少し、甘え過ぎなのかもしれない。でも、どうしても彼に縋ってしまう。 彼の存在そのものが、私にとって支えになっているのだから。 彼が他の神たちに嫌な顔をされようとも、それでも私は彼に縋ってしまう。閑もそんな私をいつも受け入れてくれる。 「閖……どうか俺と言う存在を枷にしないで?糧にして欲しい。俺は、お前の為だけに存在しているのだから」 絆が私の枷になっているのを彼は分かっている。だから閑は自分を糧にして欲しい、そう言ってくれる。 一人じゃ弱い私を彼が強くしてくれる。感謝してもし尽くせない程、私は彼に支えられている。 「閑、ごめん。ワイシャツ、私の涙と鼻水でぐしょぐしょになっちゃった……」 「洗えば良い事だろう?それに、流石に同じワイシャツを二日連続で着る訳無いだろう?」 「……そうだね!?」 「うん、そうだよ」 漸く泣き止んだ私は、笑顔を彼に向ける。閑は嬉しそうに頬を赤らめている。
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